この度はアマツで密かに受け継がれし『浄化の儀』について、わたくしサヤがご説明いたします。
セイト様が施された『戯れの淫呪』の正体とは、汚れし魂を憑依させ、性欲を解放し淫行に駆り立て、同時に正気と余命をも奪い去るという強力な魔道術でした。術者は敵国最高位の魔導士……解術の方法はただひとつ、アマツに埋もれし『聖銃』の力を用いるしかありません。

『淫化』が進むにつれセイト様のお体は筆舌に尽くしがたい激痛に蝕まれます。しかし清廉なセイト様にとって何よりお辛いのは、その精神が自らの淫行によって穢されること……。一刻も早く解放される日が来ることを願い、私たちは旅を続けます。
『淫化』は戦いに遭遇した夜など、精神の昂ぶらせるような事象があった際に進行します。この淫化の進行を食い止めるのが『浄化の儀』です。この儀は、セイト様の射精を以って執り行われます。つまり、淫呪が暴走する前に『浄化の霊力』を持つ巫女が射精をお手伝いすることで、セイト様のお命をお救いすることになるのです。

もちろん、セイト様にはこの真実をお伝えしておりません。つまらぬことで、お心を痛めてほしくないからです。ですから私は、夜毎お休みになられた後を見計らい、悟られぬようにそっとご奉仕させて頂いております。毎晩、その……お休み中のセイト様の着物を割って……お口で……

……し、失礼いたしました。
『浄化の霊力』はナツメにも宿っていますが、まだ妹には早いと判断し、私ひとりで執り行っております。しかし、この儀式は本来二人の巫女が揃ってこそ効力を発揮し履行されるもの。妹の力も必要となる日が、きっと来るでしょう。

また、お口や乳房だけのご奉仕では足りなくなる日も来るでしょう。
そして、全てをセイト様に打ち明ける日が来ることも――。

その時私は、姉として、巫女として……そしてセイト様を想う者として、全身全霊でご奉仕したいと願っております。
次回の舞台紹介は、敵『ブレビス』についてよ。
巨大な軍事力を持つブレビス。アマツとの関係や、軍についての情報を、私トウカが話させてもらうわ。
戦いはまず敵を知らなくちゃ。しっかりと聞いておくのよ?

第参回『ブレビス』を見る。