今日は私・トウカが旅で見聞した話を教えてあげるわ。そうねぇ……ブレビスの女の話なんていかがかしら?
海を挟んだ南方より侵攻してきた敵国・ブレビス。これまでアマツとブレビスは程ほどの友好関係を保っていて、貿易や交換留学生の制度なんかも整っていたの。私の可愛い一人娘・カナちゃんなんて率先して留学しちゃったわ。
これは、頼み込んでやっと送ってもらった唯一の写真。お手紙書いても全然お返事くれない娘だったから、これもらうのも大変だったな〜。帰国前に戦争が始まってしまって、娘とは今も別れたまま。もう一度カナちゃんを抱きしめるためにも、私は絶対に負けられないわ。

―あ、でも娘がいるってことはセイトちゃん達にはナイショね!!お母さんだってバレたら恥ずかしいし……ふふっ。
ちなみにこっちはブレビス駐留基地「タケミカヅチ」。

もともとブレビス人が多く住んでいた場所で、レンガ造りの街並みが特徴的な都市だったの。今は完全に要塞化しちゃって風情もなくなっちゃったけどね。
ふふっ、それではお待ちかね「女の子」のお話よ♪

戦に女が関係ないとお思いなら、それは大間違い。ブレビスには不思議と女性の将校がとっても多いの。サディスト軍人に薄着の魔導師、ボンテージに身を包んで戦う剣士もいたわね。特に駐留基地や霊脈場、重要な場所ほど彼女たちが守ってるから、聖銃を手に入れようと思ったら邂逅は避けられない。この先幾人も相まみえることになるから、見とれて油断なんてしちゃダメよ?

それより、乱暴でドスケベなゲンジ様が女たちを犯して回らないか、暴力任せに縛ったり突っ込んだり吐き出したりしないか楽しみ――もとい、とっても心配だわ、心配〜……ふふふっ。だってあの方、セイトちゃんと違って本当にケダモノですもの、ね♪
―さあ、セイトちゃん。他にも漁夫の利を狙う「第三勢力」も現れるでしょうから、(いろいろ)気をつけて行きましょうね!
ブレビスだけではない…翡の国の犯罪組織や近海の海賊…
虎視眈々とアマツの隙を狙う者たち―
長い旅路の中、彼らとも何らかの縁が出来るかもしれない。
しかし信を置きすぎるのは感心できない―

皇女の手紙は何を伝えようとしているのだろう。

第四回『第三勢力』を見る。